ヨーゼフのお役立ちコラム

column

  • ホーム
  • ヨーゼフのお役立ちコラム

口腔アレルギー症候群について

口腔アレルギー症候群(OAS:oral allergy syndrome)について

メロン、パイナップル、キウイフルーツ、桃、リンゴなどを食べた時に、口の中や喉がかゆくなったり、唇が腫れたり、喉がイガイガするアレルギー症状が現れることがあります。しかし、アレルギーの血液検査をすると、症状が出る食品のIgE抗体価が陰性になることが多く、「あれ?」と思ったことがある方もいるかもしれません。

この症状が出る方の多くは、何らかの花粉のアレルギーを持っていて、それが原因でアレルギー症状が出ている可能性が高いです。これを、口腔アレルギー症候群(または、花粉-食物アレルギー症候群:PFAS:pollen-food allergy syndrome)といいます。

例えばブタクサアレルギーの人は、メロンやスイカを食べたときに口腔アレルギー症状が出ることがあります。それは、ブタクサとメロンやスイカのアレルギー原因物質(アレルゲン)の形が似ていることから起こります。このように、異なるアレルゲンであっても、似た形をした部位があることでアレルギー反応を引き起こすことを交差反応(交差抗原性)といいます。多くの場合は先に花粉症になり、その後に交差抗原性のある食品を食べたときに症状が出るようになります。

 画像をクリックで拡大

詳細はこちら > Allergyinsider.com

口腔アレルギー症候群に見られる、花粉の果物・野菜のほかにも、さまざまなアレルゲンで交差抗原性が報告されています。

【ラテックスーフルーツ症候群】
ラテックス(天然ゴム)アレルギーを持つ人は、果物を食べることで症状が起こることがあります。症状は口がピリピリする症状から、場合によっては重度な症状となる場合もあります。バナナ、キウイ、アボカド、クリとそれらの加工品による症例が報告されています。

【納豆とクラゲ】
納豆アレルギーを持つ人は、意外なことにマリンスポーツ愛好家の患者さんに見られることが多く、納豆の粘り気の成分がクラゲの触手にも存在する(交差抗原性がある)ことから、クラゲに刺されたこととの関連性も報告されています。

多くの場合は口や喉の症状(口の中や喉の痒み、唇の腫れ、喉のイガイガ)で比較的軽いことが多く、原因食品を食べた直後から遅くても1時間以内に自覚症状が出ます。その他、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、目の充血、涙など目や鼻の症状、皮膚症状(顔の痒み、全身発疹)、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)、呼吸器症状(ぜーぜー苦しくなる、呼吸困難)を誘発し、アナフィラキシー症状が出る場合もあります。

スギ花粉でアレルギー症状が出る方はたくさんいらっしゃいますよね。でも、スギ花粉でアレルギー症状があっても、ハンノキ、シラカンバ、イネ科、キク科のアレルギーがなければ、トマトを食べて口腔アレルギー症状が出ることはほとんどないようです。逆に言うと、トマトで口腔アレルギー症状が出る方は、スギ以外の花粉にも反応している可能性が高いということです。

果物や野菜はよく加熱すれば症状は起きにくいようです。

ただし、大豆は例外です。大豆のアレルゲンであるGlym4は比較的耐熱性があり、30分以上加熱しないと抗原性が失活しません。煮豆、味噌、醤油は加熱処理がしっかりされるのでアレルギー反応が起こりにくく、加熱処理と発酵処理がされた納豆も反応は起こりにくいとされています。大豆製品の中ではこれらの加工処理が少ない豆乳で口腔アレルギー症状が出やすいです。そのため、「豆乳を飲むとアレルギー症状がでるけど、納豆は大丈夫です。」ということが起きるのです。

食べると口の中に違和感が出るアレルギーは、花粉症と果物・野菜の交差反応であるということを説明してきました。症状が出る場合は該当の食品を食べないようにするという対処が基本ですが、栄養価の高い食品を除去しなければならない場合は、その代わりになる栄養素が含まれる食品が何かを知ることが大事です。

例えば、カゼインフリーの方にとって豆乳はミルクの代わりになる貴重な飲み物ですが、いまは美味しい植物性ミルクがたくさん登場しています。ミルクの代わりになる飲み物としてアーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクなどを選び、カルシウムは小魚や青菜を多く取り入れたり、サプリメントを上手に利用することも一つの方法かと思います。

管理栄養士:リッキー

マリヤ・クリニックの栄養指導担当。
ヨーゼフのサプリメントと食品にも関わっています。

ページトップへ